哲学オタク・秀一郎の人生相談室

ナニワの哲学オタクが、哲学を生かして、あなたのお悩みに回答します!

哲学を使って、毎日の不満をちょっぴりハッピーに!

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Q1、夫のことが嫌いです。

秀一郎さん、こんにちは。
今日は私のことでご相談です。
私には長年連れ添った夫がおりますが、夫は若い頃から、わがままで思いやりのない性格でした。
結婚前はそんな性格の裏返しとして、男らしくて面白い人だと思っていたのですが、やはり実際に生活してみると違いますね…
夫は収入に合わない浪費をするタイプで、ギャンブルはしませんが、ゴルフ道具や服装、車などにお金を使ってしまいます。
その浪費分をカバーするためにパートに出ようと思ったのですが、夫は嫉妬心が強く、私が働くのを許してくれませんでした。
私は仕方なく、家計の足しに内職をしてきました。
内職である程度のお金にするために、夫と子供が寝静まった深夜にも仕事をしてきました。
私は自分で言うのもなんですが、手先が器用で仕事が早いので、普通のパートよりもたくさん稼いでいます。
友達からは『あんたはよく働くね』とよく言われます。
しかし夫は私のことを労う様子もなく、家事も子育ても私任せです。
そんな生活の中で、40歳を迎える頃には夫に対して嫌悪感でいっぱいになっていました。
現在、夫は定年退職して、毎日家でゴロゴロしています。
私はまだ内職を続けていますが、夫は相変わらず家事を手伝う素振りもなく、ゴロゴロしながら私に『お茶』『新聞』などと言いつけますし、食べ物の好き嫌いが多く、日々の食事への文句も絶えません。
夫に対しては諦めモードで接してきました。
夫と離婚して金銭的に困窮するのは嫌ですし、ゴタゴタと揉めたくないということ、また娘が実家暮らしをしていることもあり、このまま静かに生活をしていこうと思っていました。
ところが最近、夫の様子がおかしく、行動も不審なことが多々あります。
どうも浮気をしているようなのです。 
身の回りのことを私に全部やらせ、私の行動は制限し、好き勝手に女性と遊んでいる夫に対して怒りが収まりません。
とは言え、積極的に離婚する気にもなりません。
私はこの先、どのように心を保っていけばいいでしょうか。
長文になりましたが、秀一郎さん、うまく自分の心をなだめる考え方を教えてください。

               

おーちゃん(66才・主婦)

 

 

A:夫の生命与奪の権利は貴女の手に!

 

ということで、今回は66才の主婦・おーちゃんさんからのご相談です。

長年連れ添った夫婦の間にありがちと言ってしまえばそれまでなのですが、しかしおーちゃんさんにとっては、毎日夫が家でゴロゴロし、仕事をしている妻をねぎらいもせずに用を言いつけ、挙句に浮気に及ぶという、文字で書き連ねただけでも忿懣やるかたない状況とご推察いたします。

さて、ドイツの哲学者ヘーゲルは、人間の精神は常に発展していくものとして、弁証法という運動法則を唱えました。
自分と、自分を否定する者が存在し、お互いに対立し、排斥し合う。
この一連の運動により、自分がより高められ、発展していくという考え方です。
夫婦とはまさに、この運動法則を具現化する最適なモデルだと言えますまいか。
貴女と対立し、排斥しようとする夫。
それ自体は憎らしい、鬱陶しい存在です。
しかし、貴女はその夫により、心身ともに磨かれ、今日に至っています。
家事と子育てを一手に担い、寝る間を惜しんで家計のために働いてきた貴女。
何不自由なく過ごしてきた女性とは違い、仕事のスキルや強い精神力が得られたはずです。
貴女にもこれまで家庭のために必死にがんばってきたという自負と自信が備わっていることでしょう。
それが今の貴女を輝かせています。
つまり、夫の排斥あったからこそ、現在の貴女が存在しているわけです。


一方、夫側を弁証法で見てみましょう。
夫は貴女からほとんど排斥は受けていません。
自分の言いつけを守り、家にいながらお金を稼いで浪費を許してくれ、おかずも好きなものばかり作ってくれる……とても満たされて恵まれています。
しかし裏を返せば、夫は排斥を受けなかったことで、家事能力ゼロの、会社以外では何の役にも立たない人間として歳を重ねました。全く発展しなかったのです。
夫は貴女なしでは3日と生きていけません。
おそらく、そのわがままぶりから、他の女も早晩逃げ出すことでしょう。
貴女がダメ男にカスタマイズしたわけですから、他の女では手に余ることは目に見えています。
夫の生命与奪の権利は貴女が握っていると言っても過言ではありません。
『あなたを生かすも殺すも私次第』
そう思って暮らせば、少しは溜飲が下がるのではないでしょうか。



今日のポイント:ヘーゲル弁証法