クライアントからの愚痴電話にうんざり……
Q4、それって‥‥私がしないといけないんでしょうか?
フリーランスで仕事をしています(未婚・女です)。
と云うよりも厄介なシロモノでそれから逃れて生活出来ません。
人間は関係を結び生きていくことを本性としています。
これを関係の絶対性と言います。
実存主義哲学者であるキルケゴールらがうちたてた概念です。
それに対して人間は、個ごとに意思と知恵をもち自我を実現しようとします。
その実現の仕方がまちまちで相手との齟齬(食い違い)を生みます。
これを思想の相対性と言います。
つまり人間存在は、関係の絶対性に縛られ、思想の相対性を主張、実現しようとするのです。
厄介といえば厄介で、これが人が持つ最大のストレス源になるわけです。
だから人はどこかで折り合いをつけて自分を納得させなければなりません。
それが出来ず鬱になる人も、また最悪の場合自死に至る人も出てきます。
さて納得の仕方に模範解答はないと思います。
どんな解答でも、悩む本人がこの病みから少しでも解放されるのならそれを善しとしましょう。
さて、この場合です。
社長たる人物、問題対処能力にはなはだ欠け、自己実現が稚拙と言わざるをえません。
それが彼の人生、彼そのものです。
歳も歳だし、彼に改善?を求めても無理です。
ここはらんらんさんが気持ちを大きく構えて、善をできる範囲で実行すれは良いと思います。
これが一番。
苛立つ気持ちをいだきながら善を実行する、これもまた人生です。
思想の相対性に捉われることなく、不調和和音を響かせながら生きるのも、大阪人のボチボチ人生の知恵。
春風のような爽やかさをらんらんさんの最高の生きる武器として活用し、明るく前進していきましょう。
一歩前進、二本後退。
そしてまた一歩。
これで良いのです。
今のあなたを作り出したのは、置かれた環境? それとも……
Q3、ぼくは彼女に何かできるでしょうか?
秀一郎さん、こんにちは。
今日はぜひ聞いて欲しいことがあります。
11月に仕事で東京出張があり、その夜、歌舞伎町に飲みに行きました。
元タレントのYが歌舞伎町のバーで働いていると聞き、興味本位で店をのぞいてみました。
Yはラフな服装でしたが、さすが元タレントだけあって、スタイル抜群の美貌はひときわ目立っていました。
日曜日だったこともあり、客は少なく、Yはぼくにほぼつきっきりで接客してくれ、LINEも交換しました。
意気投合して、シャンパンを開け、店が閉まる朝7時まで飲み続け、そのままYと2人で朝ラーメンを食べに行き、めちゃ楽しい一夜となりました。
翌日仕事を終え、名古屋に帰ろうかと思っていたらYからLINEが入り、『今日もお店に来て』とお誘い。
翌日は仕事でしたが、明日イチの新幹線で帰ることにして、2日連続で歌舞伎町へ。
Yのバーで2晩で20万円使いました。
名古屋に帰ってからも時々YからLINEが来て、営業トークだけでなく、個人的なこともやり取りするように。
そして、会ってから10日ほど経ったある日、Yから電話がかかってきたのです。
『今日は大事な話をしたいんだけど』
『何?』
『あのね、私の彼氏になってくれない?』
この時点で、正直ぼくはYの言葉を疑心暗鬼な気持ちで聞いていました。
Yがその先に何かを要求してくるだろうと思ったからです。
『いや、無理だって。俺、金持ちでもないし、歳も離れてるし、名古屋住まいだし、一般人だし』
(ちなみに、余談ですが、ぼくは自営業という仕事柄、ファッションや髪型にはちょっとうるさく、体型も細身なせいか、年齢よりかなり若く見られます。
Yとはひとまわりほど歳が違いますが、Yとぼくが写った画像を女友達に見せたら、『お似合いだ』と言われました。
同伴のキャバ嬢とオヤジ、みたいな図には見えないと自負しています)
と、Yとは付き合えないと説得しました。
しかしYは退かず、
『そんなこと関係ないの。私はまーくんのことが大好きなんだから。付き合いたいの』
の一点張り。
『そこまで言ってくれるなら…付き合おうか』
と、ぼくも警戒し過ぎたかな、と反省しながらうれしくなりました。
『それでね、彼氏のまーくんにお願いぎあるんだけど。友達が借金で困ってるの。
助けてあげたいから30万円貸してくれない?』
……なんだよそれ……やっぱりそうか…
と、ぼくは失望し、
『あのね、Yちゃん、借金頼むならもっと上手くやりなよ。さすがにこれじゃあ無理あるって。悪いけど、お金は貸せないよ』
『……そうなんだ。じゃあ仕方ないね』
そう言ってYはあっさり電話を切りました。
まあ、よくある話なわけですが……
それ以降、時々、
(あの時30万貸していたら、付き合うことになっていたのだろうか)
と考えてしまいます。
Yは両親を亡くしてから生活が荒れて、芸能界から引退することになってしまいました。借金もかなりあるようです。
報道では、Yの周りには力になってくれる大人がいないらしく、Yを利用しようとするハイエナみたいな奴ばかり集まってきている状況のようです。
AVに出演したり、風俗店に勤務していたこともあったそうです。
Yを更生させ、普通に慎ましく暮らす幸せを教えてあげたいという気持ちも、ぼくの中に最近芽生えてきました。
お店で2回会っているだけですから、Yに対してまだ恋愛感情というものは湧いていません。
しかし、Yの境遇を考えると、ぼくに何か出来るのかもしれないと、ふと思ってしまうのです。
秀一郎さん、ぼくはYに対して、何かできるのでしょうか?
それとも、元芸能人のYには、ぼくのような一般人は関わらない方がいいのでしょうか?
教えてください。
よろしくお願いします。
(まーくん 自営業・40歳)
A:いつからでも
自分の本質を作り変えていくことができる!
まーくんさん、こんにちは。
恋愛は時とともに心の振幅が小さくなり、やがて……
Q2、友人からのカミングアウト
「お前が好きだ!」と告白されて……
秀一郎さん、初めまして。
3年前に知り合った3歳年上のKとぼくは、気が合う友達として、よく一緒に遊んでいます。
カラオケやゲーセンに行ったり、車で海まで行ったり、飲みに行くこともあります。
一年程前、Kは、『自分はゲイだ』とカミングアウトしました。
そして、
『お前のことが好きだ。恋愛対象として』と告白されました。
ぼくはストレートで、全くその気はないので、正直にKにそう伝えました。
その日はそのままKと別れて帰宅しました。
そして次に会った時から再びまた、何事もなかったように普通の友人として一緒に遊ぶようになりました。
が、最近になってKに再三、一緒に住まないかと持ちかけられ、その度ぼくは返事を濁しています。
Kは、
*恋人として一緒に暮らすのではなく、単なるルームシェアである。
*とりあえず一緒住んでみて、嫌だったらすぐ引っ越してもかまわない。
と言っています。
ぼくの住んでるところは、家賃の高い地域なので、ルームシェアは魅力です。
そして何より、ぼくは友人として、Kのことがとても好きです。
知性的で性格もいいKとは、ずっと付き合っていきたいと思っています。
もちろん友達として。
でもKは、ぼくとの関係を一歩進めたいと思っていることは明らかです。
ぼくと一緒の時のKのウキウキした様子や笑顔を見ると、このままKに気を持たせてはいけないという気持ちと、このうれしそうな笑顔を奪ってはいけないという気持ちと、両方が湧いてきます。
Kの気持ちには応えられないことははっきりしています。
それをどのように伝えたらいいでしょうか。
秀一郎さん、教えてください。
よろしくお願いします。
レイ(26歳・会社員)
A:欲情は必ず冷める。
しかし、熟成した愛情は永続する。
うーん、
難問ですね。
このような難問にぶつかった時は、ちょっと視点を変えてみるのはどうでしょう。
レイさんはKを友人として大事にしたい、友人として好き。
一方Kは恋愛の対象としてレイさんを想っている。
ごく常識的に考えると、
あなたがた2人は別れるしかありません。
しかしちょっと待った!
ここで一旦立ち止まって考えてみましょう。
レイさんの周りの夫婦やカップルを見渡してみてください。
つまり、Kの欲情を改変し、レイさんがKに抱く友情と近い「愛情」になるまで熟成させるのです。
私の経験から、
欲情は必ず冷める。
しかし、熟成した愛情は永続する。
この人間の心模様は不変だと思います。
そこにかけてみてはどうでしょう。
そうすればレイさんの友情も違った愛に変化し、
またあなたがたふたりだけの新しい愛の世界を構築できるかもしれません。
情念の昂ぶりは一時ですが、愛は不滅です!
これにかけてあなたがた二人の新生活に期待します。
ぼくが人生相談をしようと思った理由(3)
ぼくが人生相談をしようと思った理由(2)
ぼくが人生相談をしようと思った理由(1)
キリストからキルケゴールに!
ぼくの高校時代
はじめまして、秀一郎です。
哲学を使って、毎日の不満をちょっぴりハッピーに!
Q1、夫のことが嫌いです。
秀一郎さん、こんにちは。
今日は私のことでご相談です。
私には長年連れ添った夫がおりますが、夫は若い頃から、わがままで思いやりのない性格でした。
結婚前はそんな性格の裏返しとして、男らしくて面白い人だと思っていたのですが、やはり実際に生活してみると違いますね…
夫は収入に合わない浪費をするタイプで、ギャンブルはしませんが、ゴルフ道具や服装、車などにお金を使ってしまいます。
その浪費分をカバーするためにパートに出ようと思ったのですが、夫は嫉妬心が強く、私が働くのを許してくれませんでした。
私は仕方なく、家計の足しに内職をしてきました。
内職である程度のお金にするために、夫と子供が寝静まった深夜にも仕事をしてきました。
私は自分で言うのもなんですが、手先が器用で仕事が早いので、普通のパートよりもたくさん稼いでいます。
友達からは『あんたはよく働くね』とよく言われます。
しかし夫は私のことを労う様子もなく、家事も子育ても私任せです。
そんな生活の中で、40歳を迎える頃には夫に対して嫌悪感でいっぱいになっていました。
現在、夫は定年退職して、毎日家でゴロゴロしています。
私はまだ内職を続けていますが、夫は相変わらず家事を手伝う素振りもなく、ゴロゴロしながら私に『お茶』『新聞』などと言いつけますし、食べ物の好き嫌いが多く、日々の食事への文句も絶えません。
夫に対しては諦めモードで接してきました。
夫と離婚して金銭的に困窮するのは嫌ですし、ゴタゴタと揉めたくないということ、また娘が実家暮らしをしていることもあり、このまま静かに生活をしていこうと思っていました。
ところが最近、夫の様子がおかしく、行動も不審なことが多々あります。
どうも浮気をしているようなのです。
身の回りのことを私に全部やらせ、私の行動は制限し、好き勝手に女性と遊んでいる夫に対して怒りが収まりません。
とは言え、積極的に離婚する気にもなりません。
私はこの先、どのように心を保っていけばいいでしょうか。
長文になりましたが、秀一郎さん、うまく自分の心をなだめる考え方を教えてください。
おーちゃん(66才・主婦)
A:夫の生命与奪の権利は貴女の手に!
ということで、今回は66才の主婦・おーちゃんさんからのご相談です。
長年連れ添った夫婦の間にありがちと言ってしまえばそれまでなのですが、しかしおーちゃんさんにとっては、毎日夫が家でゴロゴロし、仕事をしている妻をねぎらいもせずに用を言いつけ、挙句に浮気に及ぶという、文字で書き連ねただけでも忿懣やるかたない状況とご推察いたします。
さて、ドイツの哲学者ヘーゲルは、人間の精神は常に発展していくものとして、弁証法という運動法則を唱えました。
自分と、自分を否定する者が存在し、お互いに対立し、排斥し合う。
この一連の運動により、自分がより高められ、発展していくという考え方です。
夫婦とはまさに、この運動法則を具現化する最適なモデルだと言えますまいか。
貴女と対立し、排斥しようとする夫。
それ自体は憎らしい、鬱陶しい存在です。
しかし、貴女はその夫により、心身ともに磨かれ、今日に至っています。
家事と子育てを一手に担い、寝る間を惜しんで家計のために働いてきた貴女。
何不自由なく過ごしてきた女性とは違い、仕事のスキルや強い精神力が得られたはずです。
貴女にもこれまで家庭のために必死にがんばってきたという自負と自信が備わっていることでしょう。
それが今の貴女を輝かせています。
つまり、夫の排斥あったからこそ、現在の貴女が存在しているわけです。
一方、夫側を弁証法で見てみましょう。
夫は貴女からほとんど排斥は受けていません。
自分の言いつけを守り、家にいながらお金を稼いで浪費を許してくれ、おかずも好きなものばかり作ってくれる……とても満たされて恵まれています。
しかし裏を返せば、夫は排斥を受けなかったことで、家事能力ゼロの、会社以外では何の役にも立たない人間として歳を重ねました。全く発展しなかったのです。
夫は貴女なしでは3日と生きていけません。
おそらく、そのわがままぶりから、他の女も早晩逃げ出すことでしょう。
貴女がダメ男にカスタマイズしたわけですから、他の女では手に余ることは目に見えています。
夫の生命与奪の権利は貴女が握っていると言っても過言ではありません。
『あなたを生かすも殺すも私次第』
そう思って暮らせば、少しは溜飲が下がるのではないでしょうか。